“わたしの知り合いの女性で、夫に言われて(ラップミュージシャンを目指している夫が機材を揃えたりするために)売春させられている人がいるのだけれど、彼女が最近売春を拒否するようになったところ、夫に殴られて大怪我をさせられたあげく家を追い出された。仕方がなくアパートを探しているのだけれども、何年も前の公共料金が滞納になっているために入居を断られ、友人の家に泊めてもらっている。そういった件について簡単に弁護士に話し、来週できたら彼女を連れてきます、と言ったら、団体の情報が書かれているビラと一緒に、ギフト用紙に包まれた小さなパッケージを渡された。中身は4個入りの箱入りチョコレートで、市内の有名チョコレート専門店のものだ。「これを、彼女に渡してください」と。
たかがチョコレートだけれども、「こういう団体があるよ」とビラだけ渡されるのに比べて、相手に伝わる気持ちが全然違うように思った。いくら専門店のチョコレートと言っても4個しか入っていない小さな箱で、値段としてはそれほど高くはない。同じお金をビラだけに使えば100人に渡すだけのビラを印刷できるかもしれないけれども、その100人の誰一人としてチョコレートをもらった人ほどに「自分のことを思ってくれている、大切にしてくれている」と感じることはないだろう。
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